サッカー競技規則

 


第1条 競技場

(1) 大きさ

競技場は長方形で、縦90メートル以上120メートル以下、横45メートル以上90メートル以下とする。(国際試合においては、縦100メートル以上110メートル以下、横64メートル以上75メートル以下とする)縦の長さはつねに横幅より大きいものとする。

(2) ライン

競技場は図(省略)に示すとおり、幅12センチメートル以下の境界線によって描き、V字溝で区画してはならない。長いほうの境界線はタッチライン、短いほうをゴールラインという。各コーナーには、旗をつけた、先端のとがっていない高さ1.5メートル以上のポストを立てる。同様の旗のついたポストを、ハーフウェイラインの両側の、タッチラインから1メートル以上離れたところに立ててもよい。ハーフウェイラインは競技場を横切って引かれる。競技場の中央を適当な印で示し、これを中心に半径9.15メートルの円を描く。

(3) ゴールエリア

両ゴールポストから外へ5.5メートルのところに、長さ5.5メートルの線をゴールラインと直角に引き、その先端をゴールラインと平行な線で結ぶ。これらの線とゴールラインによって囲まれた部分をゴールエリアという。

(4) ペナルティエリア

両ゴールポストから外へ16.5メートルのところに、長さ16.5メートルの線をゴールラインと直角に引き、その先端をゴールラインと平行な線で結ぶ。これらの線とゴールラインによって囲まれた部分をペナルティエリアという。ゴールラインの中央から、直角の方向に11メートルはなれた地点を適当な印で示し、ペナルティキックマークとする。これを中心に半径9.15メートルの円弧をペナルティエリア外に描く。

(5) コーナーエリア

各コーナーフラッグポスとから競技場の内部に半径1メートルの四分円を描く。

(6) ゴール

ゴールはゴールラインの中央におくものとし、両コーナーフラッグから等距離で、7.32メートルの間隔(内側面の間隔)をもつ2本の垂直なゴールポスト、および下端が地上2.44メートルであるような水平なクロスバーからなる。ゴールポストおよびクロスバーの幅と厚さは12センチを越えないものとする。ゴールポストとクロスバーの幅は等しいものとする。ゴールネットをゴールポスト、クロスバーおよびゴール後方の地面に取り付けても良い。この場合、ネットはゴールキーパーが十分に活動できるように適当な余地をとって張るものとする。

    

第2条 ボール

ボールは球状とし、外皮には皮またはその他の認められた材質を用いる。構造上競技者に危害を及ぼすおそれのある材質は用いてはならない。ボールの外周は68センチ以上71センチ以下とする。競技開始時のボールの重量は396グラム以上453グラム以下とする。ボールの空気圧は、海面の高さにおいて0.6〜1.1気圧(600〜1100g/cm*2)とする。主審の承認を得ないで競技中にボールを交換してはならない。

    

第3条 競技者の数

(1) 試合は11人を越えない競技者からなる2つのチームによって行なわれる。1チームのうち1人はゴールキーパーとする。

(2) 競技者の交替は、国際サッカー連盟、各大陸連盟、各国協会の管轄する公式競技会規定のもとで行なわれるすべての試合において認められる。その場合の条件は次のごとくである。

(a) その試合に関わる国際協会または各国協会の同意が得られていること。

(b) 下記(c)項の制限の範囲内で競技会規定に競技者の交替が認められている場合は、登録される交替要員の最大数と、その中から交替できる競技者の最大数が明記されていること。

(c) 競技者の交替はいかなる試合においても1チーム2人を越えないこと。この2人は(競技会規定にしたがって)競技開始に先立ちあらかじめ主審に氏名を届けることを要求されている5人を越えない交替要因の中から選ばれなければならない。

(3) その他の試合においても、関係する2つのチームが交替できる競技者の最大数について5人を越えない範囲で合意し、かつその合意の内容が試合開始前に主審に通告された場合には、競技者の交替は認められる。主審に通告が行なわれなかったり、両チームが合意に達しなかった場合には、2人を越える競技者の交替は認められない。いずれの場合においても交替する競技者は競技開始に先立ちあらかじめ主審に氏名を届けることを要求されている5人を越えない交替要員の中から選ばれなければならない。

(4) ゴールキーパー以外の競技者は、競技の停止中に主審に通告した後、ゴールキーパーと入れ替わることができる。

(5) ゴールキーパーまたはその他の競技者が交替要員と交替する場合には次の条件に従うものとする。

(a) 交替する前に、主審に交代の通告をすること。

(b) 交代要員は、交代によって退く競技者が競技場の外に出た後で、しかも主審の合図があるまで競技場に入らないこと。

(c) 交代要員は、競技の停止中にハーフウェイラインのところから競技場に入ること。

(d) 一度交代により退いた競技者は、その試合に再び参加することはできない。

(e) 交代要員は、出場するとしないとにかかわらず、主審の権威と権限の行使に従わなければならない。

(f) 交代は交代要員が競技場内に入ったときに完了し、その瞬間からその交代要員は競技者となり、退いた競技者は競技者ではなくなる。

(罰則)

(a) (4)項の違反に対しては競技を停止しない。違反に関わった競技者には、ボールがアウトオッブオプレーになった時に警告が与えられる。

(b) 交代要員が主審の許可なく競技場に入った場合、競技は停止される。その交代要員は、そのときの状況によって、警告され競技場から立ち退かされるか、または退場させられる。競技は、競技が停止されたときにボールのあった地点で主審がボールをドロップすることによって再開される。ただしその地点がゴールエリア内の場合には、競技が停止された時にボールのあった地点にもっとも近いゴールラインに平行なゴールエリアのライン上でボールをドロップする。

(c) その他の本条の違反に対しては、違反した競技者に警告が与えられる。警告を与えるために競技が停止された場合には、競技が停止された時にボールのあった地点で、相手側のチームに間接フリーキックを与えることによって競技を再開する。ただし、第13条の例外規定に従うものとする。

(d) 競技会規定が競技開始に先立って交代要員の氏名を主審に届けることを要求している場合に、それを行なわなかった時は交代は認められない。

    

第4条 競技者の用具

(1)(a) 競技者が着用しなければならない基本的な用具は、ジャージーまたはシャツ、ショ−ツ、ストッキング、すね当て、および靴である。

(b) 競技者は他の競技者に危害をおよぼすおそれのあるものを一切身につけてはならない。

(2) すね当ては適当な材質( ゴム、プラスチィック、ポリウレタン、またはこれらと類似のもの) で作られ、それ相応の保護に役立つもので、ストッキングによって完全に覆われていなければならない。

(3) ゴールキーパーは他の競技者および主審と区別のつく色の服を用いるものとする。

(罰則)

 本条件のすべての違反に対して、主審は競技の停止を待って、その用具を適正にする。あるいは着用していない用具を補充するために、違反のあった競技者に競技場を離れることを指示する。ただしそれまでに用具が適正にされた場合はこの限りでない。本条の違反に対して直ちに競技を停止する必要はない。用具を適正にする、あるいは着用していない用具を補充するために、競技場を離れることを指示された競技者は、主審に通告し、主審が用具が適正であることを確認した後でなければ競技に復帰することはできない。その競技者は競技の停止中にのみ競技に復帰することができる。

    

第5条 主審

主審は試合ごとに任命され、その職務を行う。主審の権威および競技規則によって与えられたけんげんの行使は、主審が競技場に入ると同時に始まる。主審の罰則を適用する権限は、競技の中断中やボールがアウトオブプレーの状態での違反にもおよぶ。競技の結果に関する限り、競技に関連する事実についての主審の決定は最終的である。主審は、

(a) 競技規則を励行させる。

(b) 罰則を適用することによって、違反をした側のチームが利益を得ると判断した場合には、罰則を適用しない。

(c) 競技の記録をとる。タイムキーパーとして、規定の、あるいは当事者の合意による時間の競技を行わせる。事故その他の理由により空費された時間があれば、競技時間をそれだけ延長する。

(d) 競技規則の違反に対し競技を停止させ、また天候、観客の妨害その他の理由により必要であると判断した場合には、いつでも競技を中断しまたは打ち切る権限をもつ。このするものとする。この報告は投函された日時をもって提出されたものとみなす。

(e) 競技場に入ったときから、不正行為や非紳士的行為を行った競技者に対し警告を与え、イエローカードを示す。この場合、各国協会の規定にに従い、主審は定められた期間内に違反した競技者の氏名を主管協会に報告するものとする。この報告は投函された日時をもって提出されたものとみなす。

(f) 競技者と線審の他は、主審の許可なしに競技場に入ることを許さない。

(g) 競技者が重傷を負ったと判断した場合には競技を停止し、その競技者をできるだけ早く競技場の外に運び出し、ただちに競技を再開する。負傷が軽い場合には、ボールがアウトオブプレーになるまで競技を停止しない。手当てを受けるためにタッチラインまたはゴールラインまで行ける競技者には、競技場内で手当てを加えさせない。

(h) 競技者が乱暴な行為、著しく不正なプレーや口ぎたないまたは侮辱的な発言を行った、あるいは警告を与えられた後さらに不正行為をくり返したと判断した場合には、その競技者に退場を命じ、レッドカードを示す。

(i) すべての競技の停止の後に再開の合図をする。

(j) 試合に使用するボールが、競技規則第2条に適合しているかを決定する。

    

第6条 線審

線審は2 人任命される。線審は( 主審の決定に従いつつ)

(a) ボールがアウトオブプレーになったとき、

(b) どちらのチームがコーナーキック、ゴールキック、スローインを行うべきか、

(c) 競技者の交代が行われようとしているとき、

合図する。

また線審は、主審が競技規則によって競技を運行することを補佐する。線審が不法な干渉あるいは不当な行為を行ったときは、主審はその線審を解任し、補充者を線審に任命する。( 主審は、この事実を所管協会に報告するものとする)線審は試合場を管理するクラブの提供する旗を持つ。

    

第7条 競技時間

 競技時間は、両チームが合意した場合を除いて、前半、後半それぞれ45分間とする。ただし

(a) 競技者の交代、負傷した競技者の競技場からの搬出、時間かせぎ、その他の理由により空費された時間があれば、前半、後半を問わず、競技時間をそれだけ延長する。どれだけの時間が空費されたかは主審が判断する。

(b) 前半、後半を問わず規定の競技時間の終了時または終了後に行われるペナルティキックのために、競技時間を延長する。ハーフタイムの休憩は、主審の同意がある場合を除いて、5分間を越えてはならない。

   

第8条 競技開始

(a) 競技開始にあたっては、エンドとキックオフの選択はコインのトスによって行われる。トスに勝ったチームは、エンドかキックオフかを選ぶことができる。主審の合図によって、競技者がプレ−スキック(すなわち競技場の中央に置かれた静止したボールをけること)を行い、ボールを競技場の相手側半分内に入れることによって、競技は開始される。キックオフが行われないうちは、すべての競技者は競技場の味方側半分内にいるものとし、またキックオフを行わないチームの競技者は、ボールから少なくとも9.15メートル離れていなければならない。ボールがその外周の長さだけ移動するまでは、インプレーとはみなされない。キックオフを行った競技者は、ボールが他の競技者に触れるかまたはプレーされた後でなければ、ふたたびボールをプレーすることはできない。

(b) 得点があった場合には、得点された側のチームの競技者によって、前記と同じ方法で競技は再開される。

(c) ハーフタイムの後では、エンドを交替し、競技開始のときにキックオフを行わなかったチームの競技者によるチームの競技者によるキックオフで、競技は再開される。

(罰則)本条の違反に対しては、キックオフをふたたび行う。ただしキックオフを行った競技者が、ボールが他の競技者に触れるかまたはプレーされる前に、ふたたびボールをプレーした場合には、違反の起きた地点で相手側チームに間接フリーキックを与える。ただし、第13条の例外規定に従うものとする。キックオフから直接得点することはできない。

(d) その他の事由による一時的中断の後、ボールがタッチラインまたはゴールラインを越えなかった場合で、競技規則に規定されていない事由によって競技が一時的に中断されたときには、競技が中断されたときにボールのあった地点において、主審がボールをドロップすることによって競技は再開される。ただしその地点がゴールエリア内の場合には、競技が停止されたときにボールのあった地点にもっとも近いゴールラインに平行なゴールエリアのライン上でボールをドロップする。ドロップボールは地面にふれるまではインプレーとみなされない。主審のドロップしたボールが、競技者に触れる前に、タッチラインまたはゴールラインを越えたときは、主審はふたたびボールをドロップする。競技者はボールが地面に触れるまでは、ボールをプレーしてはならない。ドロップボールが本項の通りに行われなかった場合には、主審がふたたびボールをドロップする。

    

第9条 インプレーおよびアウトオブプレー

ボールは次の場合にアウトオブプレーとなる。

(a) 地上、空中を問わず、ボールがゴールラインまたはタッチラインを完全に越えたとき。

(b) 主審によって競技が停止されたとき。

これ以外のすべての時間は、競技開始から競技終了まで、次の場合も含めてボールはつねにインプレーである。

(a) ボールがゴールポスト、クロスバー、コーナーフラッグポストにあたり競技場内にはね返ったとき。

(b) ボールが競技場内にいる主審または線審にあたったとき。

(c) 違反があったと思われても、まだ決定が下されていないとき。

    

第10条 得点

競技規則中に特に規定のある場合を除いて、ボールを両ゴールポストの間と、クロスバーの下でゴールラインを完全に越えたとき得点となる。ただし、攻撃側の競技者が手や腕を使って、ボールを投げ込み、持ち込み、または故意に押し込んでも、自分の側のペナルティエリア内にいるゴールキーパーによる場合を除いて、得点とはならない。競技中に得点の多かったチームを勝ちとする。ともに無得点であるかまたは同点の場合、試合は「引き分け」である。

    

第11条 オフサイド

1 ボールより相手側ゴールラインに近い位置にいる競技者は、次の場合を除いてオフサイドポジションにいることになる。

(a) その競技者が競技場の味方味方側半分内にいるとき、または

(b) その競技者が少なくとも2 人の相手側競技者より相手側ゴールラインに近い位置にいないとき。

2 ボールが味方競技者に触れるかプレーされた瞬間に、オフサイドポジションにいる競技者が

(a) プレーか相手側競技者に干渉している、または

(b) オフサイドポジションにいることを利用しようとしている、と主審が判断した場合にのみ、オフサイドが宣告され、オフサイドの罰則が適用される。

3 次の場合には、競技者はオフサイドを宣告されない。

(a) ただ単にオフサイドポジションにいるとき。

(b) ゴールキック、コーナーキック、またはスローインからのボールを直接受けようとするとき。

4 競技者がオフサイドを宣告された場合には、違反の起きた地点で相手側チームに間接フリーキックを与える。ただし、相手側ゴールエリア内にいる競技者によって違反が起きた場合には、そのゴールエリア内であれば、どこからフリーキックを行ってもよい。

    

第12条 反則と不正行為

競技者が故意に次の9 項目には、違反の起きた地点で相手側チームに直接フリーキックを与える。ただし、相手側ゴールエリア内にいる競技者によって違反が起きた場合には、そのゴールエリア内であれば、どこからフリーキックを行ってもよい。

(a) 相手をけりまたはけろうとすること。

(b) 相手をつまづかせること。さなわち脚を使ったり、相手の前や後で身をかがめることによって、相手を倒しまたは倒そうとすること。

(c) 相手に飛びかかること。

(d) 乱暴なまたは危険な方法で相手をチャージすること。

(e) 妨害をしていない相手を背後からチャージすること。

(f) 相手を打ちまたは打とうとすること、または相手につばを吐きかけること。

(g) 相手をおさえること。

(h) 相手を押すこと。

(i) ボールを手で扱うこと。すなわち手または腕を使って、ボールを運び、打ちまたは押し進めること。( この項は自分の側のペナルティエリア内でゴールキーパーによってなされた場合は適用しない。)

守備側の競技者が自分の側のペナルティエリア内で、故意に前記の 9項目の違反をした場合には、相手側チームにペナルティキックを与える。ペナルティキックはペナルティエリア内で違反の起きたときに、ボールがインプレーであれば、ボールの位置に関係なく与えられる。

競技者が次の5 項目の違反をした場合には、違反の起きた地点で相手側チームに間接フリーキックを与える。ただし第13条の例外規定に従うものとする。

1 主審が危険と判断するような方法でプレーすること。たとえば、ゴールキーパーが持っているボールをけろうとすること。

2 正当なチャージ、すなわち肩を使ったチャージでもあっても、ボールがその競技者および相手のプレーできる距離になく、しかも明らかに両者がボールをプレーしようとしていない場合にチャージすること。

3 ボールをプレーしないで故意に相手を妨害すること。すなわち相手とボールの間を走ったり、相手への妨害になるように体を割り込ませたりすること。

4 次の場合を除いてゴールキーパーをチャージすること。

(a) ゴールキーパーがボールを持っているとき。

(b) ゴールキーパーが相手を妨害しているとき。

(c) ゴールキーパーが自分の側のゴールエリアを出たとき。

5 ゴールキーパーが自分の側のペナルティエリア内で、

(a) ボールを手で支配したときから、ボールをプレーのために離すことなく、ボールを持ったまま、はずませながら、あるいは投げあげてふたたびつかむ間に、いずれの方向へでも4 歩を越えて歩くこと、または、4 歩歩く間あるいは4 歩歩いたのちにボールをプレーのために離したあと、自分の側のペナルティエリアの外で味方側競技者に、あるいはペナルティエリアの内外を問わず相手側競技者に、ボールが触れるかプレーされる前に、ふたたびそのボールに手で触れること。

(b) 単に時間をかせいで競技を引きのばし、自分のチームに不当な利益をもたらしていると主審が判断するようなかけ引きをすること。競技者がボールをけって味方ゴールキーパーに意図的にパスしたときは、ゴールキーパーはこのボールを手で触れることはできない。それにもかかわらず、ゴールキーパーがそのボールを手で触れたときは、違反の起きた地点で相手側チームに間接フリーキックを与える。ただし第13条の例外規定に従うものとする。

競技者が次の4 項目の違反をした場合には、警告が与えられる。

(j) 主審の承認を受けることなく、競技開始後に自分のチームに参加または復帰するために競技場に入ったり、競技進行中に競技場を出ること( 偶発的な場合を除く) 。警告を与えるために競技が停止された場合には、競技が停止されたときにボールのあった地点で、相手側チームに間接フリーキックを与えることによって競技を再開する。ただし第13条の例外規定に従うものとする。その競技者がより重大な違反をしていた場合には、その違反に対する罰則が適用される。

(k) くり返し競技規則に違反すること。

(l) 主審の下した決定に対し、言動または行動によって異議を示すこと。

(m) 非紳士的行為をすること。

上記(k)(l)(m) 項の違反があった場合には、その競技者がより重大な違反をしていないときは、警告を与えたうえ、その違反の起きた地点で相手側チームに間接フリーキックを与える。ただし第13条の例外規定に従うものとする。

競技者が次の3 項目の違反をしたと主審が判断した場合には、退場が命じられる。

(n) 乱暴な行為または著しく不正なプレーをすること。

(o) 口ぎたないまたは侮辱的な発言をすること。

(p) 警告を与えられた後、さらに不正行為をくり返すこと。

退場を命じるために競技が停止された場合には、その競技者が他の違反をしていないときは、その違反をしていないときは、その違反の起きたちてんで相手側チームに間接フリーキックを与えることによって競技を再開する。ただし第13条の例外規定に従うものとする。

    

第13条 フリーキック

フリーキックには、「直接フリーキック」( 相手側ゴールに対し直接得点することができる)と、「間接フリーキック」( ゴールに入る前にキックを行った競技者以外の競技者にボールが触れるかまたはプレーされなければ得点とはならない)の2 種類がある。

競技者が自分の側のペナルティエリア内で、直接または間接フリーキックを行うときは、相手側の競技者は、ボールから少なくとも9.15メートル離れていて、そしてボールがペナルティエリア外にけり出されるまで、ペナリティエリア外にいなければならない。ボールはその外周の長さだけ移動し、かつペナルティエリアを出たときにインプレーとなる。ゴールキーパーはボールがインプレーになった後でなければ、ボールを手で受けることはできない。ボールがペナリティエリアから直接けり出されなかったためにインプレーとならなかった場合には、フリーキックをふたたび行う。

競技者が自分の側のペナルティエリア外で直接または間接フリーキックを行うときは、相手側の競技者はボールがインプレーになるまで、その競技者の側のゴールポスト間のゴールライン上に立つ場合を除いて、ボールから少なくとも9.15メートル離れていなければならない。ボールはその外周の長さだけ移動したときにインプレーとなる。

フリーキックが行われる前に相手側競技者が、本条に違反してペナルティエリアに侵入したり、ボールから9.15メートル以内に近づいたときには、主審は競技規則が守られるまでキックを延ばす。

フリーキックを行うときには、ボールは静止していなければならない。またフリーキックを行った競技者は、ボールが他の競技者に触れるかまたはプレーされた後でなければ、ふたたびボールをプレーすることはできない。

フリーキックを行う地点に関する他の条文の規定にかかわらず、

1 自分の側のゴールエリア内で与えられた守備側のフリーキックは、そのゴールエリア内であれば、どこからフリーキックを行ってもよい。

2 相手側のゴールエリア内で与えられた攻撃側の間接フリーキックは、違反の起きた地点にもっとも近いゴールラインに平行なゴールエリアのライン上から行う。

(罰則)

フリーキックを行った競技者が、ボールが他の競技者に触れるかまたはプレーされる前に、ふたたびボールをプレーした場合には、違反の起きた地点で相手側チームに間接フリーキックを与える。ただし相手側ゴールエリア内にいる競技者によって違反が起きた場合には、そのゴールエリア内であれば、どこからフリーキックを行ってもよい。

    

第14条 ペナルティキック

ペナルティキックはペナルティマークからけられる。ペナルティキックが行われるときには、キックを行う特定された競技者および守備側のゴールキーパーを除いて、それ以外のすべての競技者はペナティエリアの外の競技場内にいて、しかもペナルティマークから少なくとも9.15メートル離れていなければならない。守備側のゴールキーパーは、ボールがけられるまで、両ゴールポスト間のゴールライン上に、(足を動かさずに)立っていなければならない。

ペナルティキックを行う競技者は、ボールを前方へけらなければならない。またペナルティキックを行った競技者は、ボールが他の競技者に触れるかまたはプレーされた後でなければ、ふたたびボールをプレーすることはできない。けられたボールはその外周の長さだけ移動したときにインプレーとなる。またペナルティキックからは直接得点することができる。ペナルティキックが通常の競技時間内に、または、ペナルティキックのために前半あるいは後半の時間を延長して行われる場合に、ボールが両ゴールポスト間を通過する以前にゴールポスト、クロスバー及びゴールキーパーのいずれか、あるいはどの組み合わせでこれらのものにボールがふれても、他の違反が起きていなければ得点は無効とはならない。

(罰則)

本条の違反に対して

(a) 違反が守備側チームによるときは、得点にならなかった場合のみ、ペナルティキックをふたたび行う。

(b) 違反がペナルティキックを行った競技者を除く攻撃側チームによるときは、ボールがゴールに入った場合のみ、得点とは認めずペナルティキックヲふたたび行う。

(c) ボールがインプレーになった後にペナルティキックを行った競技者が違反を行った場合、その地点で相手側チームに間接フリーキックを与える。ただし第13条の例外規定に従うものとする。

    

第15条 スローイン

地上、空中を問わず、ボールがタッチラインを完全に越えたときには、ボールに最後に触れた競技者の相手側チームの競技者によって、ボールがタッチラインを越えた地点から、任意の方向へ投げ込むスローインが行われる。スローインを行う競技者は競技場に向いて、両方の足の一部をタッチライン上またはタッチラインの外の地面に付けていなければならない。スローインは両手を使い、頭の後方から頭上を通して行わなければならない。ボールは競技場に入ったときにインプレーとなる。スローインを行った競技者は、ボールが他の競技者に触れるかまたはプレーされた後でなければ、ふたたびボールをプレーすることはできない。スローインカラ直接得点することはできない。

(罰則)

(a) スローインが正しく行われなかった場合には、相手側チームにスローインを与える。

(b) スローインを行った競技者が、ボールが他の競技者に触れるかまたはプレーされる前に、ふたたびボールをプレーした場合には、違反の起きた地点で、相手側チームに間接フリーキックを与える。ただし第13条の例外規定に従うものとする。

    

第16条 ゴールキック

地上、空中を問わず、ボールが両ゴールポスト間を除く範囲で、ゴールラインを完全に越えたとき、ボールに最後に触れた競技者が攻撃側である場合には、守備側チームの競技者によってゴールキックが行われる。ゴールキックは、ゴールエリア内の任意の地点にボールを置いて、守備側の競技者が直接ペナルティエリア外に出るようにける。ゴールキーパーはインプレーになった後でなければ、ボールを手で受けることはできない。ボールがペナルティエリアから直接けり出されなかったためにインプレーとならなかった場合は、ゴールキックをふたたび行なう。ゴールキックを行なった競技者は、ボールが他の競技者に触れるかまたはプレーされた後でなければ、ふたたびボールをプレーすることはできない。ゴールキックから直接得点することはできない。ゴールキックを行なう競技者の相手側の競技者は、ボールがペナルティエリア外にけり出されるまでペナルティエリアの外にいなければならない。

(罰則)

ゴールキックを行なった競技者が、ボールがペナルティエリアの外に出た後に、他の競技者に触れるかまたはプレーされる前に、ふたたびボールをプレーした場合には、違反の起きた地点で相手側チームに間接フリーキックを与える。ただし第13条の例外規定に従うものとする。

    

第17条 コーナーキック

地上、空中を問わず、ボールが両ゴールポスト間を除く範囲で、ゴールラインを完全に越えたとき、ボールに最後に触れた競技者が守備側である場合には、攻撃側チームに競技者によってコーナーキックが行なわれる。コーナキックは、ボールがゴールラインを越えた地点に近い側のコーナーエリア内にボールの全体が入るように置いて、攻撃側の競技者がける。このとき、コーナーフラックポストを動かすことはできない。コーナーキックからは直接得点することができる。相手側の競技者は、ボールがインプレーになるまで、すなわちボールがその外周の長さだけ移動するまで、ボールから少なくとも9.15メートル離れていなければならない。またコーナーキックを行なった競技者は、ボールが他の競技者に触れるかまたはプレーされた後でなければ、ふたたびボールをプレーすることはできない。

(罰則)

(a) コーナーキックを行なった競技者が、ボールが他の競技者に触れるかまたはプレーされる前に、ふたたびボールをプレーした場合には、違反の起きた地点で相手側チームに間接フリーキックを与える。ただし第13条の例外規定に従うものとする。

(b) 本条のその他の違反に対してはコーナーキックをふたたび行なう。

    

 

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